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2008年 of 原宿香禅の会



お初香

初音香

   香三種

     綾         
     潮         
     響き        


綾なして潮となして響きくる今そうれしき初音聞くらむ




2月

小草香

   香三種

     す       淡雪 
     み       忘れじの
     れ       春待つ心




 にじみゆく淡き雪にぞ似たりける春待つ心今朝は忘れじ


3月

源氏香

   香五種

     一      遠近人          
     二      紫の袖
     三      花
     四      曼荼羅
     五      千年の春


 千歳こえ遠近人の袖の香は花曼荼羅と匂ひたつらむ


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4月

桜花香

   香四種

     ひたすらに                  
     朧ヽ        
     おとない         
     散華        



 巡礼のいく百万の訪ふたかただひたすらに桜花舞う
             紀三井寺にて過ぎし春に

5月

草木香

   香四種

     ぬばたま          
     太古の夢
     緑陰の気
     薫風



 ぬばたまの夢やあるらむ緑陰の風に薫りて太古に帰る

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6月

六歌仙香

   香六種


あさみとりいとよりかけて白露を玉にもぬける春の柳か 
         僧正遍照 伽羅   やまなみ

月やあらぬ春や昔の春ならで我が身ひとつはもとの身にして
          在原業平 羅国     梢の風

吹くからに野辺の草木のしおるればむべやま風を嵐いふらむ
          文屋康秀 佐曽羅    袖の色

我庵は都のたつみしかぞ住む世を宇治山と人はいふなり
          喜撰法師 寸聞陀羅   青簾

色みえで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける
          小野小町 真那賀    大宮人

おもひ出でて恋しき時は初雁のなきてわたると人は知るらめや
          大伴黒主 真南蛮    

7月

星合香


   香三種

     牽牛        薄衣          
     織女        夏越
     星         月の舟




 小夜ふけて天のお川の片端より衣かざしつ月の舟ゆく









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9月

重陽香



   香三種

     一の香       初雁          
     二の香       菊の露
     三の香       蓬莱山




 露おきし菊の重さや雁わたり啼くや知らずや蓬莱の歌

10月

源氏香


   香五種

     一     遠近人          
     二     紫の袖
     三     軒端の風     
     四     錦
     五     千秋




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11月

一葉香


   香五種

     一       恋心         
     二       晴嵐
     三       旅
     四       澪標
     一葉      



 恋心晴嵐破りてよるべなし身をつくしてぞ旅の舟漕ぐ

12月

歳暮香


   香四種

     年       冬構え          
     月       暦売り
     日       昔語り
     客       無事





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