お初香
初音香
香三種
綾
潮
響き
綾なして潮となして響きくる今そうれしき初音聞くらむ
2月
小草香
香三種
す 淡雪
み 忘れじの
れ 春待つ心
にじみゆく淡き雪にぞ似たりける春待つ心今朝は忘れじ
4月
桜花香
香四種
ひたすらに
朧ヽ
おとない
散華
巡礼のいく百万の訪ふたかただひたすらに桜花舞う
紀三井寺にて過ぎし春に
6月
六歌仙香
香六種
あさみとりいとよりかけて白露を玉にもぬける春の柳か
僧正遍照 伽羅 やまなみ
月やあらぬ春や昔の春ならで我が身ひとつはもとの身にして
在原業平 羅国 梢の風
吹くからに野辺の草木のしおるればむべやま風を嵐いふらむ
文屋康秀 佐曽羅 袖の色
我庵は都のたつみしかぞ住む世を宇治山と人はいふなり
喜撰法師 寸聞陀羅 青簾
色みえで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける
小野小町 真那賀 大宮人
おもひ出でて恋しき時は初雁のなきてわたると人は知るらめや
大伴黒主 真南蛮 遊
9月
重陽香
香三種
一の香 初雁
二の香 菊の露
三の香 蓬莱山
露おきし菊の重さや雁わたり啼くや知らずや蓬莱の歌
11月
一葉香
香五種
一 恋心
二 晴嵐
三 旅
四 澪標
一葉
恋心晴嵐破りてよるべなし身をつくしてぞ旅の舟漕ぐ