2012年 of 原宿香禅の会

香四種

　　白梅　　　　　　香　　　　　　　　　　　　　　　　
　　紅梅　　　　　　風のたより　　　　　　
　　鶯　　　　　　　しるべ　　　　　　　
　　雪　　　　　　　春の夢　　



　　　　花の香を風のたよりにたぐえてそ鶯誘ふしるべにそやる
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　紀友則

香三種

　　鶯　　　　　　谷の霞　　　　　　　　　　　　　　　　
　　枝　　　　　　水ぬるむ　　　　　
　　声　　　　　　春風　　　　　　　




　　　　水ぬるみ谷の霞は隠すとも声はとどめよ野辺の春風

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香五種

　　一　　　　　　久方　　　　　　　　　　　　　　　　
　　二　　　　　　野遊び　　　　　　
　　三　　　　　　誰が袖　　　　　　　
　　四　　　　　　陽炎
　　五　　　　　　春の風



　　　　久方の陽炎の日に遊びする野辺に散る袖風とや見るらむ

香四種

　　一　　　　　　風の色　　　　　　　　　　　　　　　　
　　二　　　　　　若葉　　　　　　
　　三　　　　　　古園　　　　　　　
　　四　　　　　　誰が袖




　　　　五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　詠み人知らず

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香七種

香五種
　　牽牛　　　　　　軒端
　　織女　　　　　　糸の色
　　星一　　　　　　遣水　　　　　　　　　　　　　　　
　　星二　　　　　　扇　　　　　　
　　星三　　　　　　夢の枕　　　　　　　
　　星四　　　　　　薄衣
　　星五　　　　　　舟



　　　　めぐりくるひととせ早し薄衣糸の色だにあせぬまもなく

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香二種



　　月　　　　　　望の潮　　　　　　　　　　　　　　　　
　　客　　　　　　松風　　　　　　




　　　　松風の声はひそかに忍ぶれど月にひかれて潮のよせくる

香四種

　　一　　　　　水澄む
　　二　　　　　残菊
　　三　　　　　山里　　　　　　　　　　　　　　　
　　客　　　　　面影　　　　　　



　　　　
面影をとどめて澄みし水おもて今なほかほる里の残菊

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香五種


　　木の葉散る　　　名残の色　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　宿は聞きわく　　山の辺　　　　　　
　　かたそなき　　　鹿の声
　　時雨する夜も　　しら露
　　時雨せぬ夜も　　庵


　木の葉散る宿は聞きわくかたそなき時雨する夜も時雨せぬ夜も
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　藤原頼実

　　香四種



　　　年　　　　　年の市
　　　月　　　　　風花
　　　日　　　　　軒雀　　　　　　　　　　　　　　
　　　客　　　　　無事　　　　　　

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