お初香
吉祥香
香三種
鶴 曙
亀 若水
吉祥 豊のあかり
住の江の浜の真砂をふむ鶴は久しきあとをとむるなりけり
新古今和歌集
かめのおの山の岩根をとめておつる滝の白玉千世のかずかも
古今和歌集
御題香 - 生 -
香五種
一の香 生
二の香 新珠
三の香 敷島
四の香 歌
五の香 寿ぎ
いのち
すがけしや我が敷島の新珠の生寿ぐ歌こそうれし
2月
鬼遣香
香三種
一の香 隠
二の香 怨
三の香 来
四の香 己
鬼は外
隠れたる怨みの名前鬼かとや識れば来るヽ鬼は外
4月
替山路香
香五種
ゆきやらで 山の辺
山路暮らしつ かげろひ
ほととぎす 峰の春風
今ひとたびの 風車
聞かまほしさに 木霊
6月
六歌仙香
香六種
あさみとりいとよりかけて白露を玉にもぬける春の柳か
僧正遍照 伽羅 やまなみ
月やあらぬ春や昔の春ならで我が身ひとつはもとの身にして
在原業平 羅国 梢の風
吹くからに野辺の草木のしおるればむべやま風を嵐いふらむ
文屋康秀 佐曽羅 袖の色
我庵は都のたつみしかぞ住む世を宇治山と人はいふなり
喜撰法師 寸聞陀羅 青簾
色みえで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける
小野小町 真那賀 大宮人
おもひ出でて恋しき時は初雁のなきてわたると人は知るらめや
大伴黒主 真南蛮 遊
9月
うの字香
香五種
う 初源
お 玉の緒
あ 遊び
え 選択
い 意志
天地も動かすはかり言の葉の誠の道をきはめてしかな
明治天皇御製
敷島の大和言葉をたて貫きに織る賎機の音のさやけさ
昭憲皇太后御製
11月
三夕香
香三種
槇立山 残菊
鴫立澤 後の月
裏の苫屋 友
寂しさはその色とてもなかりけり槙立山の秋の夕暮れ 寂蓮
心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ 西行
見わたせば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ 定家